
多くの人の前で夢の話をしていて、
受講生の反応にびっくりすることが多々あります。
その極め付きのひとつに、
「夢は意味さえ教えてくれれば良い」というもの。
わたしも夢に取り組みはじめたころはそういう風に考えたかもしれない。
だからそう考えるひとの気持ちも理解してあげなくてはいけない。
自分に納得させるべく、
そう自分に言い聞かせるのですが、
何だか据わりが悪い。
本当のところは、
夢の意味が分かったときから夢主に責任が生じます。
『わたしはそれをどう考えるか。
そしてわたしはその意味を知って、
さてどう行動するか。』
考えるべきことは大幅に増えて、
意味さえ分かればというひとは、
ますます混乱します。
意味さえ分かればいいと考える受講生たちは、
行動なんて簡単よと思っているのでしょう。
実はとってもたいへん!!!
『夢が指摘していることなんてちっとも問題じゃないし。
やれったって嫌なんですもの。
こんなに嫌なんだからこれは内なる神の声なんだと思う。
だからやる意味が無い。』
そして元に戻ります。
今まで通りに。
夢を大事だと考えたこと自体が間違いだとさえ思うところに。
ちょっと大げさに表現しましたが、
夢に反発を感じるひとは多かれ少なかれこんな気持ちを持つようです。
夢は大抵情景として見るものなので、
言語化した途端その情景の一部しか表現できていないことになります。
情景の情報量はすごく多いのだけれど、
言葉にしてしまうとその情景のすべてを網羅できません。
この情景を言語化するときに、
言語化できる範囲を受け取り易いもので括ります。
夢主が自分でもやりますし、
セッションの中でもやります。
夢主レベルで言語化する訳です。
夢主さんは
自分を知りたい覚悟の度合いによって、
夢を受け取ります。
さてここまでは個人レベルのはなしでしたが、
これからお話するのは大げさに言えば人類レベルのはなしです。
現在地球に生きているわたしたち総体レベルのはなしです。
現在地球上には多くの宗教が存在します。
それから民族による文化があります。
このふたつが結婚という意味づけをしてきました。
この宗教と文化という領域では、
結婚と霊性が切っても切れないものと論じられてきたことはあっても、
霊性を高めるには結婚という形態が相応しいという意味で、
論じられてきたことはないように思います。
こういうと論争の種をまいているようですが、
それが本意ではなく、
各自が自分の心の中に分け入って、
結婚とspirituality(霊性)をどう繋げて考えてきたかを、
振り返って欲しいのです。
精神世界に興味を持つひとの中には、
精神世界は至上のもので、
結婚や異性や性とは関係のないものと考えるひとが多いです。
その極みと思える例をこれからお話しましょう。
40を超えて、
結婚生活を人生の中に組み入れようと考えないできたひとが、
いざこれからを考えて、
ひとりでは淋しいと結婚を考え始めるひとがいます。
気付いてみれば、
20代30代とは違う状況なのだという現実に萎えて、
おしまいに口から出る言葉は、
「わたしが結婚すれば、母親を喜ばすだけ」。
この論理の展開がこの人には普通のこととしてあるのだと思います。
そこでこの人の生きる基準は未だに母親なのだとわかります。
40を過ぎて、
わたしが結婚しても母親が喜ぶだけ。
その心の影には、
わたしは結婚してもちっとも嬉しくないとあるのでしょうか。
こんな女性居るわけないと思いますか。
居ます。思いの外。
それが問題です。
このひとたちにとって結婚は自分の選択ではないのです。
仕方の無いものなのでしょう。
みんながするから。
これでは先に挙げた宗教と文化の考え方と同じです。
夢に取り組みたくさんの夢に出会わせて戴きました。
ここに来てわたしなりに夢の神髄に辿り着けたように思います。
夢が言うには霊性を磨きたければ、
結婚生活が最適だと。
隠遁生活や孤高の生活ではなく、
ましてや座禅に多くの時間を費やすだけのことではなく、
市井に居て平凡な家庭を営むこと。
それが極上の霊的生活なのだと夢は言います。
誰もが異性を求めて心躍らせる時期を持ちます。
これは多次元的な心に住む霊性の際立ったはたらきです。
この世で魂磨きをしたいからです。
それが伴侶との生活を求める理由です。
精神世界(=霊性の探究)に興味を持ち、
霊性を磨きたいから結婚という選択に行き着いたと、
そういえる人々が増えますように。
夢が言う結婚の意義は子孫繁栄を超えて、
経済的安定を超えて、
これ以上ない霊的生活です。
40を過ぎて結婚したいと願うひとびとが、
結婚を望むのは霊性を重んじた結果なのだと、
堂々と言える世界になると良いと思うのです。
夢は終始一貫陰陽の統合が霊性磨きなのだと伝えています。
ここまでお話してきて、
テーマがとても大きくて気負いがあるのだと思います。
しかし、今年はこのことについてお話しなければなりません。
これからもこのテーマでおはなししていきます。
どうぞお付合い下さい。
posted by 天の鳥船庵 at 00:00
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