今回は、
何気ない夢と思われた、
ほんの短い夢に、
深い真実を読み取ることのできた夢を紹介しましょう。
クラスの中で話された夢です。
みんながそれぞれ自分の夢を披露し終わり、
ではその中で、
一番分かり易いと思う夢をみんなで選ぼううということになりました。
その結果誰もが一致して選んだのが下記の夢です。
夢本体:
【これから駅に向かうところ。
どう行くんだっけと思う。
そこで向こうから歩いてくる女性に尋ねる。
「駅はどう行けば良いのでしょう?」
そこで女性は、右を行って、左に曲がってと、
駅への道順を教えてくれる。
それを聞いて、「あぁ、わたし知っている。
自分で知っていたわ」と思う。】
クラスのみなさんは夢を勉強して早半年以上。
「今後の自分が行くべき道を自分は知っている」
この夢のいわんとしているところを、
そう受け取ったようでした。
自分のことは自分が知っている、
既に自分の必要としていること、
知る必要のあることで、
知らないことは何も無い。
この夢が伝えたいことは、
そうなるとわたしも思います。
「あなたは既に必要なことは知っているのですよ」。
こう云われるとうれしいものです。
誰もが自分の疑問に自分の中にその答えを持っている。
とは言うものの、
自分が抱く疑問の答えを、
自分が知っているのは、
疑いも無い真実ではあるけれど、
それを知る方法を知っている人、
必要な時に必要な知恵を、
自分の中から引き出せる人がどれくらいいるでしょう。
多くの人が、自分の中の真実に到達できずに苦しみます。
だから一見この受け取り方は理に合っているけれど、
よくよく考えたら見放された感じを持ちます。
夢が言うのはそこでしょうか。
もしそれだとしたら、
夢でなくても良いとわたしは思ったのです。
そこで夢主さんに夢を注意深く味わってもらいました。
この夢はその自分の真実に到達する方法を教えています。
とてもシンプルな方法です。
では、その方法をこの夢を味わうことで引き出していきましょう。
夢の出だしはこうです。
【これから駅に向かうところ】
自分の中に答えを見つけるには、
その前に、自分の求めるところを認識していないといけません。
「駅に行く」がその決心です。
「わたしはどこへ行くのだろう。
誰かそれをわたしに教えて下さい」というのは問いにはなりません。
行くべき目標や方向は分かっているけれど、
その行き方が分からない。
自分の問いを此処まで整理していないと、
問いにならないということを覚えておいて下さい。
【そこで向こうから歩いてくる女性に尋ねる】
この夢で一番大切なところです。
これが、自分が答えを引き出す方法です。
つまり、他人に訊いてみるのです。
「わたしは〜〜〜したいのですが、
あなたが知っているその方法を教えて下さい」と。
すると訊かれた人は「それなら、
わたしが理解している方法では、〜〜〜することです」と、
知っていることを話してくれるでしょう。
それを受けて、
「では、あなたがそう言うのだからそうします」とは言いません。
「あら、知ってる」と、既に自分に答えがあることに気付く訳です。
この夢を味わうことなくやり過ごしてしまったら、
「答えは自分の中にある」止まりで終ってしまったでしょう。
でも、この夢がいう本当のところは、
それを他人に訊いてみることだというのです。
他人に訊いてみてはじめて、
自分は知っていたんだと気付くと夢は言います。
他人に訊いてみなければ、
自分が知っていたんだと気付けないと夢は言います。
更に、この夢主さんのナイーブさを知っているから余計ですが、
そうやってこの夢主さんが他の人に声をかけることで、
この夢主さんが一歩成長すると夢は言います。
この行為が夢主さんを、
ひとりぼっちの殻から飛び出させるからなのです。
わたしたちがこの夢から学べることは、
自立と助けを求める間のバランスのことでしょう。
自分の正解を知るのに、
他人に訊いて、それを知って、
答えが自分の中に既にあることを知るのです。
この手順を踏まないと自分の正解に辿り着けないと夢は言います。
わたしたちはひとりでは生きられません。
此処でも他人の助けが必要でした。
その助けを求める勇気がなくては、
いつまでたっても自分の正解に辿り着くことはできないと、
夢はいっているようです。
では最後に。
もしこの夢主さんに、
「駅へはどう行けば良いのでしょう?」と訊かれたら、
訊かれた人はそれだけで、
ほんわかと温かい気持ちになると思います。
この夢主さんは、そんな方です。