[ 天の鳥船庵だより ブログアーカイブ・2015年1月〜2023年2月 ]

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2018年03月26日

天の鳥船庵夢療法家養成講座第13期修了式

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今回の受講生達は大きく変化を起こせる将来性のある方々でした。

クライアントをお迎えし、
実践的実習夢療法をやってみて、
そこでクライアントを通して見えた課題が、
今回は女性の仕事でした。
これはある意味これからの日本にとって国を左右する重要な課題です。
魂(=両性具有性)から見た仕事を獲得するには、
どうあったらよいか。
夢はどう提案しているか。
毎回ケースカンファレンスでは、
けんけんがくがく魂の仕事について話し合いを進めてきたので、
試験問題をこれにしました。

提出された受講生それぞれの渾身の答案用紙を読みながら、
出された答案に浮かび上がる受講生の生きる姿勢を見て、
講師の務めと責任を感じています。

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講座全体を通して感じたことは、
夢ひとつひとつに拘泥せず、
全体を掴みクライアントの魂の息吹を感じ取って行くのは、
それほど難しいことではないと思えました。
これは大きな収穫です。

この心境は勉強の成果というよりは、
クライアントを通し、
夢から垣間見えるその心の状態に、
自然に寄り添える自分に気付かされたからでしょう。
受講生それぞれもこのことに気づいたような答案でした。

自分の本来の心が人に寄り添える。

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夢を仲立ちにすると、
自分と人との繋がりが見えてくるようです。
真我同士の繋がりだからでしょう。

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次回の養成講座のクライアントを募集しています。
夢に真摯に取り組みたいとお考えの方はお問い合わせください。

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posted by 天の鳥船庵 at 10:01 | グループセッション

2018年03月21日

「続・魂の救済としての結婚の勧め」

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前回の記事をアップした後、
夢主から補足説明がありました。
これはとても大切なわたしたちの霊性の根幹に関わることなので、
敢えて「続・魂の救済としての結婚の勧め」として補足します。

夢主からの文面を一部お見せしましょう。
ー引用はじめー 
先日のクラスを家で深めることができました。
実は、私自身が珍しくあの場で発言を躊躇ったことがあります。
それは、夢で私をレイプした相手が、
クマかタヌキだったような気がする、ということ。
人間でないところに、
自分自身でゾッとしてしまって、言いだせませんでした。
両者の象徴を読むと、どちらも頷けます。
頷くと同時に、どうしたものかと唸ります。
ー引用終わりー

確かに、動物には両義的な意味があります。
アンビバレンツな意味があります。
しかしこれはこの世の二分法が原因で、
物事を理性で理解する上で役立つのでそうなるだけです。
ここに夢主がゾッとした理由はわからないことはありませんが、
「そう受け取るそれが問題なのだ」と夢が指摘しています。

何回も申し上げますが、
性行為そのものは聖なる行為です。
ですからその頂点で目眩く「快」を味わいます。
瞑想も同じです。
どちらも揺らぎを伴う「快」を体験します。

人間が性行為をするとき、
「わたしは動物並みの快楽を貪っている」とすこしでも思っていたら、
それはレイプに成ります。

これまで関わることので来た夢を総合すると、
わたしたちの心は宇宙の広がりを持っています。
地球ひとつを心の内に見ることができます。
その地球を拠点に住む動物という仲間たちも平和に暮らす権利を持っています。
彼たちは地球にあってその「快」を味わっています。
その快を見た、まだ浮遊状態にあったわたしたちの魂は、
彼らのセックスを見て、
その美しさに我々も体験したいと、
地上に降り立ったのだそうです。
これはエドガー・ケイシーのリーディングにある記述を、
わたしなりに解釈して文章にしたのですが、
その出所を調べている時間的余裕がなく、
わたしの記憶だけでお話ししています。
この意味をたくさんの夢から類推すると、
動物的本能とされる性行為への意義付けは、
人間たちの二分法による区分けによるものと考えます。

夢は霊性への働きかけを題材にしているので、
必然的にわたしたちの霊性への方向性を指し示します。
そこでは、
「人間でないところに、
自分自身でゾッとしてしまって、言いだせませんでした。」
という心情こそが問題で、
動物への価値観や考え方を霊性と同じ位置におけると、
「あなたは性行為の快を味わえるだろう」と励まされていると思います。

今回の夢に動物としての象徴を当てはめては、本末転倒と思います。

最後に心理学ではどのように「動物」を受け取っているのだろうかと、
探して見ました。
時間をかければもっとふさわしい記事に出会えると思いますが、
「とりかえばや、男と女」で河合隼雄氏が述べている考えを引用します。

ユングは(トリックスターのことを)
「あらゆる点で未分化な人間の意識の忠実な模写である。
それは動物の水準を未だほとんど出ていない意識水準に相応している」と。
それに対し河合氏は、
「人間は『未分化』な存在を考えたり
『反秩序』の存在について考えたりするときに、
動物のイメージをよく用いる。
『畜生にも劣る』などという表現もある。
しかし、動物は人間が勝手に考えるほど無秩序に生きているわけではない。
動物で性の顛倒などが行われるだろうか。」
「人間の行う未分化への希求の行為も
やはり相当に人為的なものである」と書かれています。

わたし自身は夢を通して知らされた霊的生き方から考えて、
この河合氏の考え方より
遥かに動物には神聖さを感じていると思っています。
そこで今回のレイプの夢に戻ると、
夢に表れた特定の動物の象徴を読むのではなく、
性への概念を再考するようにとの示唆と受け取ってはどうでしょう。
ここをもっと深めることができれば、
人類の気づきは急速に進むと感じています。
それをお知らせしたくて再度記事にしました。

引き続きお知らせです。
夢療法家養成講座14期のクライアントと、
夢療法講座13期の受講生は募集中です。
お知らせ」でご覧ください。
興味のある方はお問い合わせください。


posted by 天の鳥船庵 at 12:18 | 夢の活用法

2018年03月14日

魂の救済としての結婚の勧め

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この頃よく聞くのですが、
既婚者の多くが離婚したがっているようです。
結婚していれば、「離婚だ!」と思うことは多々あります。
でも、離婚する前に少し考えて欲しいことがあります。

夢は性(Sex)を扱います。
性(Sex)が魂の根幹だからです。
しかしこの社会では性を密かに扱っても公には扱いません。
人間存在の根本として、
命の尊さを扱っても性の精神性霊性を扱えません。
性から命が生まれるという事実に、
人類は性行為を神性で応えているでしょうか。
夢は間違いなく性を高尚なものとし、
性が霊的なものだと言い続けています。
わたしたちにとって大きな問題です。

先日講座で話し合われた夢では、
なんと夢主が夢の中でレイプされます。
わたしも夢で性行為体験は何度かあります。
その相手は夫だったり、
名のある人や、 
世界を制覇する将来性のある若者だったりと、
千差万別です。
現実世界ではもうないけれど、
今だに夢ではかなりもてます。
しかしレイプはなかった!

そこで「夢のレイプは何を意味すると思うか」と、
夢主に訊いてみました。
すぐには答えられない難問です。
しかし講座の最後に意を決したように、
「夫への心配です」と明確な答えが返ってきました。
無用な、でも理性で考えれば当然の夫への心配。
それが夢では夢主自身のエネルギーを奪い取っていると、
夢主自身が見抜いたのです。
「この夫への心配という心の癖に取り組みます。
今年のテーマにします。」と、
自分に言い聞かせるように力を込めて言い放ちました。

「魂の殺人」(アリス・ミラー著)という本があります。
なかなかショッキングなタイトルです。

副題は「親は子どもに何をしたか」とあるので、
この本はトラウマについて、
その原因と結果とそれへの対処を書いたものとわかります。
1983年に出版されて今尚読み継がれている人類の遺産のような本です。

出版社からのコメントには、
『「躾」という名の暴力
教育や躾の名による暴力は子どもたちの魂を粉々に打ち砕き,
社会はいずれ手痛い復讐を受けずにはすまない。
ヒットラーや少女娼婦クリスチアーネの幼年時代を詳細に分析して,
教育の暴力性と非人間性を容赦なくえぐり出した衝撃のロングセラー。』
とあります。

これが、
「ヒットラーでもなく娼婦でもないわたしたちには関係ない」でしょうか。
いえ、大いに関係あります。
関係あるどころか、
これこそが結婚の勧めの重要なところです。
人は大なり小なりその人特有のトラウマを抱えています。
霊性と学歴は関係なく、
職業と霊性も関係しません。
業績と霊性も必ずしも関係がありません。
この世に生を受けるに当たって、
魂だけの状態で肉体の中に入る前は、
成功を夢見ている魂はほとんどありません。
仮に生まれる前に成功を目的としたら、
その人生で成功することがテーマで、
成功によって派生する様々な責任を引き受けることが、
本来の目的かもしれません。

しかし生まれた途端人は成功に向けてまっしぐらに進みます。
魂の望みとは関係のない課題を自分の課題とするのです。
それが親の意向であり、周りの望むところだからです。
これがトラウマを生む土台になります。
人生の早い時期に、
この魂の望みとは違う道からドロップアウトできれば良いのですが、
競争は一生止むことなく続きます。
この虚しい目標に気づくことなく一生を終えることもあるでしょう。

このトラウマという心のメカニズムを受け入れ、
身近な人間関係で感じる理解し合えないやるせなさ、
何とは無しに日頃感じる閉塞感を、
自分にトラウマで説明してみると、
自分にも相手にも優しい気持ちになれるでしょう。

少なくとも、相手が悪いと断じるのは、
早急かもしれないと心のどこかで余裕が生まれるでしょう。
現代社会は現代社会自体が問題を抱えています。
この時代が生み出す不毛感はこのトラウマに対する理解を持ってすれば、
人生の価値付けを変えてくれると思います。

「魂の殺人」に戻ると、
魂の殺人者は子供の親というのが、
この本の言いたいところで、
それこそが戦争の原因であり、
人間の歴史です。

トラウマは、
今やハリウッド映画にもちょくちょく顔を出すテーマですが、
この連鎖を次世代に受け継がないように、
わたしたちはこの問題を自分のこととして受け取り、
自分の人生設計を見直し、
魂の望むところを生きる必要があります。

トラウマが親によって子供につけられた傷とするなら、
親と子の関係はトラウマで成り立っていることになります。

では、結婚はこのトラウマとどういう関係を結ぶことになるのでしょう。
あなたが心にトラウマを抱えているなら、
相手も心にトラウマを抱えています。
あなたが結婚すれば自分のトラウマと相手のトラウマを扱う、
ややこしい関係になります。
しかし自分のトラウマに立ち向かえる力があれば、
相手のトラウマを冷静に見ることができます。
トラウマの自覚がなく、
この心のメカニックを理解していなければ、
相手の言動の不自然さの意味に気づけず、
個人攻撃を受けているような理不尽さを感じることになるでしょう。
トラウマに翻弄された相手を思いやれずに、
相手と自分は理解し合えないものとなり、
理解し合えないままに生涯を終えていくことになります。

結婚が魂磨きになるのは、
この相手のトラウマという人生のテーマを理解しながら、
自分の課題(トラウマ)にも取り組んでいくと、
相手の中に自分の課題が見え、
それがより自分を理解できる種となってくれるからです。

そこでお互いがお互いを認め合い、慰めあえるようになります。
時に激しく口論をし、行き違いが生じても、
ふたりで向き合う以外に解決策はないのだと思えます。
ふたりが結婚したのは自覚はなくても、
ふたりだからこそ附置された独特の課題があるのだと知るようになります。
そうやってお互いを鏡に切磋琢磨していくのが結婚です。
だから理想的には結婚は魂の救済なのです。

繰り返すと、
トラウマを抱えた者同士が無自覚のまま結婚すれば、
相手に要求しあう関係になり、
ふたりで愛を育てようという関係にはなりません。
その結果が性格の不一致による離婚となっているように感じます。

親と子の関係はトラウマを仲立ちとして成り立ったとしても、
これからは結婚でお互いのトラウマを癒し、
本来の魂の輝きを取り戻す、癒し手同志となりたいものです。

最初のレイプの夢に戻ると、
レイプの相手は夫ではないのに、
「夫への心配」と受け取れた夢主さん。
つまり夢主の男性性が病んでいることはひとつあるとして、
夢主のトラウマと夫のトラウマの両方をこれから、
挑戦すべきテーマとしますと、
この方は宣言したことになります。

レイプされている最中に、
どうせクライマックスが来れば終わるのだからと、
無駄な抵抗はせず(?!)相手に全てを任せているというのでした。

無用な抵抗はしないというこの考えは、
自己の尊厳をドブに捨てているような感じです。
(誰にせよ、夫とはいえ他人への心配は、
レイプによる性行為と同じ。
レイプする側される側どちらの側に立っても、
不毛のエネルギーロスになります。)

この夢主の思考の在り方、心の癖は、
トラウマのなせる技で、
相手の男性は、
夢主にとってはまだわかっていない、
夫のトラウマの形と思われます。

つまり、「夫への心配」が夢のレイプと受け取れた妻は、
自らのトラウマと夫のトラウマを、
これからは御して行こうと覚悟を決めたことになります。

なんだかすごい話になりましたが、
ご本人を存じ上げているので、
彼女の実像がこの考えを生み出してくれたようなものです。

結婚はこうして、魂磨きとなり魂の救済となります。



posted by 天の鳥船庵 at 20:34 | 夢の活用法