[ 天の鳥船庵だより ブログアーカイブ・2015年1月〜2023年2月 ]

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2021年01月31日

いま夢の世界で起こっていること



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(梅が咲いたので)

2021年も1月は今日でお終いです。
明後日2月2日は立春です。

去年の師走から立春まで、
今年の流れはわたしたち人類に意識の上で大きな変化が起きています。
夢がそれを証明し始めています。

言葉にすると代わり映えがしないのですが、
いま人類の夢には、
夢を見るだけで啓発が起こっています。
これをどのように表現したら良いのかだいぶ苦しみましたが、
今朝NHKの「日曜美術館」で、
フランシスコ・デ・ゴヤ「我が子を食らうサトゥルヌス」を見て、
この絵を足がかりに、
多くの人の夢で起きていることをお話しします。

いま私たちの心に起きていること、
夢で教えられていること、
つまり現在進行形の夢の啓発は、
ゴヤが「我が子を食らうサトゥルヌス」を描いて自分を啓蒙したように、
わたしたちは自分の夢でゴヤのような啓発を受けています。
美しい夢を見て啓発されるのとは違って、
ギリギリ耐えうる夢の場面で、
わたしたちは自分の心の闇と光とを同時に体験しながら、
このコロナ禍を学びにしているところです。

以前、「女性の性体験 in Dream」という記事を書きました。
この世で愛情深い女性は夢で娼婦を演じるという内容です。
それも身持ちが良いことが夢では娼婦だという意味です。
優しい人は誰にでも優しいということを夢で表すと娼婦になります。
それだけではなく勿論創造性も加わってのことですが。
夢の象徴とこの世の常識は相入れないのです。
その辺の誤解が生じないようにと記事を書きました。

その後この記事を読まれた方からお礼のメールをいただきました。
伴侶以外の男性と夢で愛の行為に及んだという夢日記を、
伴侶がこっそり覗き見することはないとは思うものの、
文字にするのが躊躇われたというのです。

今回の夢による啓発は、
どちらかというと悪夢に近い内容の夢です。
それでこの記事を書こうと思いました。
恐らくこの時期人に話せない夢を見ている人は多いのではないかと思います。
悪夢は変容の際を教えてくれます。
それが本当は啓発の夢です。

夢の場面が隠微という場合も、
鬼気迫る場合もあるでしょう。
トラウマとカルマに直接関わる内容で、
その問題の核心に直に触れる感触があるはずです。
そしてときに夢の中で深い納得を得られ、
夢を見たことで、
心が成長しているのを感じられるでしょう。

ここでは個々の夢の事例をお話ししませんが、
その代わりスペインの宮廷画家フランシスコ・デ・ゴヤが描いた
「我が子を食らうサトゥルヌス」の話しをしましょう。
NHKの番組によると、
ゴヤは自分の息子に殺される夢を見たのだそうです。
それも70歳を過ぎた頃でしょうか。
それでギリシャ神話のクロノス神であり、
ローマ神話のサトゥルヌスを描こうと思ったようです。

サトゥルヌスつまりクロノスは、
両親から自分の息子によって殺される運命にあると聞いていたため、
妻が子供を出産するたびに呑み込んだという神話です。
ゴヤもまた6人の子宝に恵まれながら、
成人まで生き延びたのはたった一人で、
その子が自分を殺す夢を見たというのです。
親にとって子供は宝であり苦労の種でもあります。
ゴヤにとってたったひとりの子供がどんな存在だったか分かりませんが、
命を取られると思うほどの事情があったのかもしれません。
いまから200年ほど前のことです。
この作品は生前公にされなかったとのことです。
もともと自宅の壁を装飾するために描いた装飾壁画だったという説明ですが、
こんな心象風景を毎日目にする覚悟は尋常ではありません。
老いと病気と耳の不自由がゴヤを追い込んだという安直な想像は傍において、
命を掛けてこの絵を描き上げたのは、
夢の伝える意味を
身をもって体験し、
魂の昇華に成し遂げたいという彼の願いが成就したのだと思います。
もともとの絵画では、
サトゥルヌスのペニスは勃起して描かれていた跡があるそうです。
しかし一般に公開するにあたって他人に消された可能性があるということでした。
ゴヤの心中を考えるとこの修正は残念です。

いまのわたしたちは丁度この絵を描いたゴヤに匹敵する
不自由さと闇を体験していますが、
それと同時にこの先に自分の魂を昇華し得る希望が感じられています。

悪夢はその希望の星です。
イヤな夢を嫌わず、
少し距離を置きながら、
イヤな夢の中に潜む希望の光を見つけましょう。

想像もできなかった変容が叶いますから。


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(1月30日の富士山)

posted by 天の鳥船庵 at 22:57 | 夢の活用法

2021年01月13日

初夢ふたつで立体的なサポートを読む



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緊急事態宣言下の11日(成人式の日)、
神宮前で2021年1day ワークショップをひらきました。
この外出自粛のなかでの開催理由はいろいろありますが、
2019年の大晦日から2020年元旦への変化より
2020年から2021年への切り替わりの方が、
次元上昇と思えるほど鮮明だったのが大きな理由です。


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夢の重要度は月の満ち欠けに関係します。
年末の30日の満月は初夢に大きく影響し、
今回は初夢前後の夢ふたつを合わせてメッセージを引き出すことにしました。

これがみごとに功を奏して、
受講されたみなさん今年のテーマが立体的、
具体性を持って見えてきました。


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夢はメッセージが分かったら即実行に移さないと意味がありません。
実行の伴わない夢解釈は自己満足で終わってしまいます。
初夢を紐解く(=調べる、解明する)私たちは、
「夢を生きた明恵」でなければならず、
「英俊」をやってしまったらおしまいです。
この辺のことは、
「明恵夢を生きる」という河合隼雄先生の著書に詳しく書かれています。
中世の高僧が夢のメッセージを頼りに、
大事を決めて生きられた姿は日本の誇りです。

古来日本は夢に信を置いてきた民族ですが、
「一富士二鷹三茄子」については以前の記事を参考にされてください。

くだって空気感の変わった2021年の初夢は、
これまでの堅く堅固に見えた信念さえ見直し、
具体性を持った行動を初夢が求めているように思えました。


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神宮前での初夢ワークショップは今回で4回目になります。
メッセージに具体性を持たせるために、
これまでとは違って、
初夢と思える新年の夢と相前後してみた夢を扱いたいと提案したところ、
みなさんが快く賛成してくれました。


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まず初夢に求める質問をはっきり文字化しました。
その上で自己紹介をしました。
そこで、初夢のスケッチを描き、
その内容を発表しました。
続けてそれとは違う新年の夢を描き、
その夢を話してもらいました。

ここまでくるとなんとなく初夢の伝えている内容がわかるものです。
2021年だからでしょうか。
ひと捻りふた捻りがあって当然の初夢ですが、
設問がまっすぐなら、
答えの夢も直球できます。


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最後にふたつの夢から結論を引き出しました。
その結論を改めて眺めると、
ふたつの夢を視野に入れたからこそ
メッセージが具体的で揺るぎないものになりました。


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ここまでの作業を終えて、
今年一年を始めるエネルギー調整のために
マンダラ絵を描きました。

改めて今年の傾向をまとめると、
具体性を持たせた目標を立春までに決めて、
あとは実行動に移せれば、
結果を心配し、
自省をするのではなく、
プロセスが改善点や改良点を教えてくれる年のようです。

写真でその雰囲気が少しお伝えできれば良いのですが。 


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posted by 天の鳥船庵 at 18:20 | 夢の活用法

2021年01月03日

お正月のいけばな


娘の頃10年ほど古流をお稽古しました。
花嫁修行としてはずいぶん長いことです。
12月になると水仙の立ち活けを習います。
先生の方針なのだと思いますが、
3週水仙です。
水仙の立ち活けはむずかしいのです。
年の最終週はお正月用の活け花になります。
この時だけはそれまでの難しさやお稽古という感覚はなく、
ただただ楽しんだ思い出があります。
畳に正座のお稽古でした。
稽古場は先生のお家のお座敷です。
人数分の座布団が用意され、
その前に剣山と花瓶が花台の上に据えられています。
座布団の右にはその日の花材が置かれています。
お稽古が終われば自分用の油紙につつんで持ち帰ります。

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お正月用の活け花は大抵盛花ですが、
この何年も投げ入ればかりでした。
そこで2021年はちょっと変わったことをしたいと、
お花屋さんで物色したところ、
暮にお稽古に使ったことのない松を見つけました。
「福来三光松」というのだそうです。
鶴が木の高いところに止まっている姿だと説明を受けました。

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頂き物の啓翁桜と、
稲穂と、
南天を投げ入れで活けてみました。

南天は都落ちをした時に夫の夢に出てきた木です。
夢では南天の実が下からさらに上に上がっている摩訶不思議な姿だったとのこと。

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鎌倉に来てすぐにみたことのない鳥に出会って、
それからはこの磯ヒヨドリの声と姿の美しさに日々感動しています。
磯ヒヨドリが姿を見せるたびに何かしらメッセージをくれます。
昨日は七里ヶ浜高校の校舎の一角にその姿を見せてくれましたが、
一声も鳴いてくれませんでした。

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2020年の急激な変化と、
2021年のはじまりの空気感がかなり違うのを教えてくれているように思います。
では、ゆっくり参りましょう。







posted by 天の鳥船庵 at 18:12 | 夢の活用法