5月14日のオープンクラスに空席あります。
ご興味のおありの方はご連絡ください。

(胡蝶蘭が元気に返り咲き中)
「桃太郎伝説と4神獣(1)」から随分時間が経ってしまいました。
この考察は現在のコロナ禍状況を抜けるために、
わたしたちがすでに持っている何をどのように使っていけば、
人間本来の霊性を発達させられるのか、
そこを中心に桃太郎伝説を考えようというものです。
そこで基になるお話し「桃太郎」を、
福娘童話集からお借りすることにしました。
子供の時に聞いた物語の流れによく似ていることが最大の理由です。
そして次回からこの話の流れで解説をしていくつもりです。
出典は下記の通りです。
http://hukumusume.com/douwa/pc/jap/08/01.htmまずはお話を読んでいただきましょう。
途中「(講師注:・・・)」を入れました。
最後に山を上から眺めた図をお見せします。
これは東西南北と桃太郎と犬と猿と雉子を重ねた
山登り(=自己探究)の配置図のようなものです。
分かりにくいとは思いますが、
これで桃太郎伝説と自己探究に必要な要素を重ねてみました。
その雰囲気を味わっていただければと思います。
この「桃太郎」には、
女性の成長プロセスの段階1「母への同一化(受動的に娘として従う)」から、
段階2「決別・母殺し(自立への通過儀礼)」に移行を可能にする要素が含まれています。
ここを通って結婚に向けて心の準備ができることになります。
この「桃太郎」という男の子の武勇伝が、
女性・女性性への勇気ある行動を鼓舞していると読むのはとても暗示的です。
男性性原理の社会から脱却するには、
男性性原理の本質を、
愛を持って理解しなければ先に進めません。

福娘童話集「桃太郎」
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へせんたくに行きました。
おばあさんが川でせんたくをしていると、
ドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきました。
「おや、これは良いおみやげになるわ」
おばあさんは大きな桃をひろいあげて、家に持ち帰りました。
そして、おじいさんとおばあさんが桃を食べようと桃を切ってみると、
なんと中から元気の良い男の赤ちゃんが飛び出してきました。
「これはきっと、神さまがくださったにちがいない」
子どものいなかったおじいさんとおばあさんは、大喜びです。
桃から生まれた男の子を、
おじいさんとおばあさんは桃太郎と名付けました。
桃太郎はスクスク育って、
やがて強い男の子になりました。
そしてある日、桃太郎(講師注:思考)が言いました。
「ぼく、鬼ヶ島(おにがしま)へ行って、わるい鬼を退治します」
おばあさんにきび団子を作ってもらうと、
鬼ヶ島へ出かけました。
旅の途中で、イヌ(講師注:感情)に出会いました。
「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「鬼ヶ島へ、鬼退治に行くんだ」
「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ」
イヌはきび団子をもらい、桃太郎のおともになりました。
そして、こんどはサル(講師注:直感)に出会いました。
「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「鬼ヶ島へ、鬼退治に行くんだ」
「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ」
そしてこんどは、キジ(講師注:感覚)に出会いました。
「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「鬼ヶ島へ、鬼退治に行くんだ」
「それでは、お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。おともしますよ」
こうして、イヌ、サル、キジの仲間を手に入れた桃太郎は、
ついに鬼ヶ島へやってきました。
鬼ヶ島では、鬼たちが近くの村からぬすんだ宝物やごちそうをならべて、
酒盛りの真っ最中です。
「みんな、ぬかるなよ。それ、かかれ!」
イヌは鬼のおしりにかみつき、
サルは鬼のせなかをひっかき、キジはくちばしで鬼の目をつつきました。
そして桃太郎も、刀をふり回して大あばれです。
とうとう鬼の親分が、
「まいったぁ、まいったぁ。こうさんだ、助けてくれぇ」
と、手をついてあやまりました。
桃太郎とイヌとサルとキジは、鬼から取り上げた宝物をくるまにつんで、元気よく家に帰りました。
おじいさんとおばあさんは、桃太郎の無事な姿を見て大喜びです。
そして三人は、宝物のおかげでしあわせにくらしましたとさ。
おしまい
下記は講座のレジメです。
❖桃太郎伝説と4神獣(ユングの4機能を参考に)(但:坂内慶子による)
(心の成長に挑むのはこの4つの機能の山を登るが如きこと)
北(玄武) 【黒】
桃太郎
思考
【白】 西(白虎) ⇧ 東(青龍) 【青】
猿 ←頂【黄】→ 雉子
直感 ⇩ 感覚
南(朱雀) 【赤】
犬
感情
図は中心が山頂です。
登山道は全方位を螺旋に巡ると仮定しています。
裾から山頂へ向けて登山をはじめます。
これが自己探求です。
歩を進める一歩一歩は気付きがそのエネルギーとなります。

❖語彙の説明
桃太郎物語:おばあさん(知恵ある母性)の作ったきびだんごを持って
鬼(トラウマとカルマ)退治(征服)に向う冒険物語
桃太郎=思考:人間の考える機能のこと
猿=直感:思考からも感情からも離れて次元の違うものをキャッチする能力
犬=感情:生存に必要なこと(安全)が優先
注目されたい・条件づけされずに可愛がられること
雉子=感覚:動物的感覚の網羅
(この順番の逆、
雉子(感覚)、犬(感情)、猿(直感)、桃太郎(思考)の順は、
子供が成長していくときに使える機能の順番と同じと考えています。
従って自己探究の登山口は多く西の雉子からはじまるのかもしれません。)
補足説明:五行説の「土=中央=黄、木=東=青、金=西=白、火=南=赤、
水=北=黒」と方位(五方)・色(五色)を配置しました。
考察:感情は霊性の理解度(山の高低が理解度の度数)を知らせます。
その人の理解度に因って思考がはたらき、
人生の体験は感情を伴って進歩(気付き)が完了されるからです。
思考と感情のバランスを取る為と互いをチェックする為に直感と感覚があります。
直感は内から外への働き掛け(時空を駆け抜け)
感覚は外界に依る内への働き掛け(過去と未来と現在がひとつ)
(講師注:この桃太郎伝説と4神獣の組み合わせは講師の創作です。)
では次回からこの「桃太郎」をどのように心の発達に役立てていくかの説明に入ります。
―つづく―