画家・坂内和則 & 夢療法家・坂内慶子のWebsite

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天の鳥船庵だより

2022年04月05日

桃太郎伝説と4神獣(1)

4月9日のオープンクラスに空席あります。

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(4月5日の富士山)

2020年から始まったコロナ禍が、
わたしたちの生き方を大きく変えてくれました。
この災害がなければ気付けなかったことはたくさんあります。
必要悪とも言えるでしょうか。
正確には必要な経験だったと言えるのではと思います。

このコロナ禍後の心の支えに、
昔話の「桃太郎」と「4神獣」を紐解いて、
この物質至上主義から魂の平和にシフトできる
わたしたちを創っていく指針にしたいと思います。

昔話「桃太郎」については、
夢の講座のレジメに長く挙げてきたのですが、
講義の中でこの解説をすることなく済ませてきてしまいました。
講座の中で話し合う余裕が講師側に無かったとも言えます。

この仕事を始めた30年前、
河合隼雄先生と秋山さと子先生はご存命で、
人々の夢に対する関心は高く、
このまま夢への関心は高くなり続けるものと思いましたが、
お二人共に亡くなってみると期待はずれでした。
お二人の活躍は心理学の中での夢だったからでしょうか。
わたし個人の立ち位置は、
心理学でも精神世界でもない宙ぶらりんと思っています。
この宙ぶらりんが長く夢講座を勝手に開いてこられた要因でもあります。
寄りどころはエドガー・ケイシーの言葉通りに、
自分を知るための道具として夢を捉えているので、
精神世界風なのかもしれません。
とはいえいまやこの論議は何の意味も持たないところに来ています。
信じられるものが外にありません。
そこは嫌というほど分かっても、
最後の砦である自分自身の何を信じたらいいのでしょう。
そこを教えてくれるのが自分の夢です。
まさにこここそが夢の真骨頂です。
夢は議論の余地もないほど現実を生きろと言います。
この一見パラドックスと思える夢を長く人類は手懐けられずに来ました。
いまこそ夢を手懐けるときです。

さて夢には夢が推奨する生き方があります。
それは夢に取り掛かってすぐに気づきました。
考えてみれば当たり前のことです。
しかしこの当たり前のことが夢に関心がある人たちにも通じません。
それで「桃太郎」の話の確かさに気づきながらも
その解説を後回しにしてきたというわけです。

夢がいう当たり前な生き方とは、
誰もが自分の家庭を作って、
次世代に人生の本当を伝えるということです。

これが多くの人に伝わりません。
多くの人が夢に求めることは、
夢の中には深遠な哲学があり、
自分の中に特別な才能があるはずだからそれを夢で知りたいというのです。
確かに全ての人にはその人特有の才能があります。
それは確かだけれど、
その才能が特別他人の注目に値するかどうかは別です。
またその才能が経済を生み出す才能かどうかも別です。
けれど夢を通して自分の才能を知りたい人は、
自分特有の才能が見つかりそれに邁進すれば、
霊性も豊かで経済も豊かな人生を送ることができると勘違いしています。

わたしが夢から教わったと思っていることは、
つまりわたしが夢を通して知ったことは、
結婚して霊性を磨きなさいということだけです。

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精神世界講座を渡り歩いて、
霊性が磨ける訳はありません。
精神世界講座は霊性磨きの練習になりますが、
実践にはなりません。
逃げ場がない人間関係を異性と作り、
その土俵上で切磋琢磨しない限り霊性は磨かれません。

これが結論です。
多くの人はこれを嫌がります。
だから「桃太郎」の話を解説しないできました。
このコロナ禍がわたしたち人類に必要だったのは、
どうしても物質至上主義に陥ってしまうからです。
自分の才能を見つけて経済的に安定したいと願っていることが、
そもそも経済主義だと気づけないのです。
強制的に外側の世界から目を心の中に向けなければ、
心の中を見ようとせず、
常に自分と他人を比べ、
面倒な心理的葛藤を避けようとします。

ところが夢は恋がはじまったら即刻口出ししてきます。
恋する相手が人生を共にするにふさわしいかどうか、
間髪を入れずちょっかいを出してきます。
それほど恋は人生を左右する大事だからです。

近年、多くの人は恋をしたがらず、
生涯結婚をしない人が増えています。
その理由は身近に結婚の良い見本がないからです。
速い話が自分の両親の結婚生活に魅力を感じなかったからです。
むしろ「結婚なんかしなければ良いのに。
なんで結婚してわたしを産んだのか」と悲しい思いがあるからです。
あなたの両親もそう思っていたことでしょう。
しかし戦後の日本を生きた人たちは、
経済的に困窮していたのです。
他に生きる術がなかったのです。
心を大切に生きることは後回しでした。
その両親のもとで育った人々は、
経済的に自立を遂げています。
しかし心の自律がなかなか難しく、
他人と心を割った関係を作ることに臆病になっています。

そこを打破するための心構えを創るためのお話が「桃太郎」です。

「桃太郎」の話は、
日本のあちこちで桃太郎伝説として大事にされています。
冒険物語なのでとても魅力的な話です。
特に戦時下の日本では人気があっただろうと思います。

ところで桃太郎物語は日本の古い昔話とされていますが、
起源が良くわかりません。
日本の初夢文化も以前に記事にしました。
この時初夢に縁起の良い物とされている
「1富士2鷹3茄子4扇子5煙草6座頭」が、
調べていくうちに近年日本人が作り上げたものらしいとわかりました。

煙草が日本に渡ってきたのは16世紀半ば、
ポルトガル人によって「鉄砲」とともに持ち込まれ、
江戸時代には喫煙習慣が広まったようです。
ですからこの初夢の縁起物という謂れも、
そんなに古くないように思います。

奇しくも昔話「桃太郎」と初夢の縁起物が、
両方ともあまり古くないのです。
人類の遺産が太古に完成された形で残っているのではなく、
時間をかけて人類が作り上げたもののようだということです。

さて、とはいうもののこうしたことはあまり重要とは思いません。
考えるべきはいまこの二つを伝承文化として、
夢を使って心を整える材料に使えるという事実です。
これが面白いのです。
特に夢は現実行動を大切にします。
夢を論じるとき空理空論は排除されます。
そこのところを「桃太郎」で考証していきたいと思います。
次回から物語の実際を見ていきます。
お付き合いください。
    ―つづく―

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posted by バンナイ at 14:24 | 桃太郎伝説と4神獣
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